平成17年度冬季企画展・重要文化財指定記念

年代のものさし −陶邑(すえむら)の須恵器−




5世紀前半の須恵器
陶邑窯跡群 TK73号窯出土 大阪府教育委員会蔵 (国指定重要文化財(一部))

趣旨

 須恵器とは、古墳時代に朝鮮半島から製作技法が伝わった釉薬(うわぐすり)をかけない硬質の土器のことです。大阪府南部の泉北丘陵一帯にひろがる陶邑窯跡群は、1000基近い窯跡からなり、古墳時代中期から平安時代初期までの約500年間続いた日本最大の須恵器生産地帯です。
 陶邑窯跡群から出土した須恵器は、その形態や製作技法の時代による変遷の研究によって古い時期から新しい時期までの編年が確立しています。陶邑でつくられた須恵器は全国各地に運ばれたことから、各地の古墳や遺跡から出土した須恵器を陶邑の須恵器と比較することによって、それらの年代的な位置づけが可能となっており、考古学の研究では重要な役割を果たしてきました。このため、陶邑の須恵器の中から2572点が、平成16年度末に国の重要文化財に指定されました。
 今回の企画展では、古墳や遺跡の時期を知る基準資料としての視点から陶邑の須恵器を紹介します。また、渡来人と須恵器づくりの関係をうかがえる資料や須恵器の実年代が推定される資料もあわせて展示します。
内容 

6世紀中ごろの須恵器
陶邑窯跡群 KM128号窯出土 大阪府教育委員会蔵 (国指定重要文化財(一部))
主催
 
大阪府立近つ飛鳥博物館
後援

近畿日本鉄道株式会社
開催期間

平成18年1月28日(土)〜3月5日(日)
毎週月曜日休館
開館時間

午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
入館料

U字形板状土製品(かまど焚き口の保護・装飾用)
大阪府四條畷市蔀屋北遺跡出土 5世紀後半 大阪府教育委員会蔵

大人 400円 高校生・大学生・65歳以上の方 300円
中学生以下・障害者手帳をお持ちの方(介助者1名を含む)は無料
20名以上の団体は、2割引の料金になります。)
展示構成

<須恵器生産の開始>
    須恵器の製作技術が入ってきた直後に操業された窯跡出土の須恵器を紹介します。朝鮮半島の陶質土器の影響の強い形態や文様が特色です。
<須恵器の移り変わり>
    須恵器生産の発展、転換、衰退の様相を、陶邑の須恵器編年(須恵器を時期ごとに並べいくつかの型式に分けたもの)の基準となる資料ごとに紹介します。
<消費地から出土した暦年代資料>
    年代の推定される消費地遺跡(難波宮跡など)から出土した資料や年輪年代によって時期が推定される資料(狭山池1号窯など)から須恵器の実年代にせまります。
<渡来人との関わりを示す考古資料>
    百済に類例がみられる特殊な叩き目が施された甕形土器や渡来人との関わりが深い遺跡から出土したU字形板状土製品(かまどの焚き口の保護・装飾に使用されたもの)を紹介し、須恵器生産技術の導入と渡来人について考えます。
 
おもな展示品

・陶邑窯跡群出土の須恵器
 陶邑の須恵器編年のI型式1段階(5世紀(古墳時代))からII型式2段階(9世紀(平安時代))までの20型式を各型式ごとにわかりやすく展示。

特殊な叩き目が施された甕形土器
陶邑窯跡群 TK73号窯出土 5世紀前半 大阪府教育委員会蔵
・難波宮出土の土器
  同時に出土した木簡によって実年代が推定される土器。
・狭山池1号窯出土の須恵器
  狭山池の木樋の年輪年代によって実年代が推定される土器。
・渡来人の故地をしめす資料
  特殊な叩き目が施された甕形土器(陶邑窯跡群 TK73号窯出土)
   U字形板状土製品(陶邑窯跡群 ON231号窯、大阪府堺市大庭寺遺跡、
    大阪府四條畷市蔀屋北遺跡出土)
など 出品総数約530点
(内、国指定重要文化財 250点)
 
見どころ

  • 各地の遺跡や古墳の年代的な位置づけとなっている陶邑窯跡群の須恵器を古墳時代から平安時代まで時期ごとにわかりやすく展示します。実物資料をもちいた「須恵器編年表」を見ていただくことができます。
  • 期間中、多くの方々に展示への理解を深めていただくため、「歴史セミナー」・「学芸員展示解説」などの催しを開催いたします。
関連事業

○歴史セミナー
   第1回 1月29日(日)
   「韓国の窯・日本の窯」
 韓国 東新大学校教授  () 正鎬(ジョンホ)
 奈良県立橿原考古学研究所附属博物館総括学芸員  木下(きのした) (わたる)

  時 間:午後1時30分〜4時(午後1時受付開始)
  場 所:博物館地階ホール
  定 員:200名(当日先着順、参加無料)

  第2回 2月11日(土・祝)
  「和泉陶邑について」
 大谷女子大学教授  中村(なかむら) (ひろし)
  時 間:午後1時30分〜3時30分(午後1時受付開始)
  場 所:博物館地階ホール
  定 員:200名(当日先着順、参加無料)

○学芸員展示解説
   日 時:

場 所:
その他:
2月5日(日)・2月12日(日)・2月25日(土)・3月5日(日)
午後2時30分〜3時
博物館地階特別展示室
展示室への入場料のみでご参加いただけます。
開始時刻に特別展示室入り口付近にお集まり下さい。

問い合わせ先

〒585-0001 
大阪府南河内郡河南町大字東山299番地
大阪府立近つ飛鳥博物館
TEL 0721−93−8321
          



OSAKA PREF. CHIKATSUASUKA MUSEUM

〒585-0001 大阪府南河内郡河南町大字東山299番地
TEL. 0721-93-8321(代)
FAX. 0721-93-8325




近つ飛鳥の目次に戻る